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Institute of Human Development

TEL. 077-524-9387

〒520-0052 滋賀県大津市朝日が丘1-4-39 梅田ビル3階

発達保障学校集中講義

テーマ:発達の光は時代に充ちたか?
   ―― 療育記録映画『夜明け前の子どもたち』から学ぶ――

 講 師 玉村 公二彦さん(京都女子大学)
     田村 和宏さん(立命館大学・人間発達研究所運営委員長) 
     中村 隆一さん(人間発達研究所所長)
 日 時 2021年3月7日(日)10時~16時30分

 会 場 オンライン(オンライン会議システム「zoomミーティング」を利用します)
 受講料 一般5,500円(5,000円+税)、会員3,850円(3,500円+税)
      25歳以下会員(1994年4月2日以降生まれ)1,100円(1,000円+税)

 ★当日参加出来ない方のために、後日の録画配信もあります。


シラバス

ねらい
 『夜明け前の子どもたち』(監督:柳沢寿男、1968年制作、120分)は、びわこ学園における重症児の療育活動を撮影した記録映画です。
 この映画について、『発達のひかりは時代に充ちたか?』と題して、この映画の時代の障害児施設、とりわけ重症心身障害児をめぐる状況や、この映画がなぜつくられたのか、何を映画として発信する必要に駆られたのか、そのプロセスにおけるスタッフの人間模様、そして映画が療育に参加をする中から発達を浮き彫りにしていく意味、等々を書きことばにしました(2017,クリエイツかもがわ)。
 今回は、そこで語れなかったことも含めて、各講師が強調したいエッセンスを話し言葉にして語ることで、「夜明け前」を今の時代に引き寄せて、社会を「夜明け前」にむかわせる力を自らのものにしてもらいたいと願っています。

講義概要
講義1 「『夜明け前の子どもたち』の製作とそのスタッフたち
       ――障害のある子どもの教育権・発達権保障の夜明け――」

      講師:玉村公二彦
 重症心身障害児療育をめぐって、『夜明け前の子どもたち』はなぜつくられたのか? どのような映像の前史があるのか。どのような人たちによって、どのようにつくられたのか? 重症の子どもたちの発達をとらえたキャメラの瀬川順一、監督柳沢寿男、その後の福祉ドキュメンタリーへの道、大野松雄と小杉武久によるはじめの不気味な音響の意図、音楽をつけた三木稔、そして映像を絞っていく過程、公開に到る過程ではどのようなことがあったのか?
 残されたフィルム、資料、製作スタッフたち追って、未完の大作「夜明け前の子どもたち」の謎を考えてみたい。この映画は、スタッフたちにとってもその後の歩みに影響を及ぼすものとなった。そのようなスタッフのさまざまな思いをこえて、この映画が教育権、発達権の保障に及ぼした波紋を考えてみたい。

講義2 「重症心身障害児施設萌芽期の指導者から学ぶ」
      講師:田村和宏
 『夜明け前の子どもたち』は、重症心身障害児施設の創設期の1967年に撮影された。そこで奮闘していたのは糸賀一雄や岡崎英彦といった人たちはもちろんだが、その人たちとは別に、日々重症児の暮らしや生きることに寄り添う現場職員たちがいた。「どんな生活がいいのだろうか」と思いながらも、そう考えたことが実現できるほどの人もいない現実と、職種によるヒエラルキーが存在した当時。心が折れた時も少なくない。それでも毎日、精一杯の気持ちで子どもたちの目の前にいた職員たち。そんな職員たちの「ヨコ」をつなごうと指導者も奮闘した。そんな姿を映画の中から読み解いていきたい。
 今回は、本にも書いた森敏樹・池澤俊夫・加藤直樹の3人にスポットライトを当てる。今日の障害福祉・教育・保育の実践現場に引き寄せて考えてみる。

講義3 『夜明け前の子どもたち』に登場する子どもたちの姿から
      講師:中村隆一
 『夜明け前の子どもたち』では,びわこ学園でくらす子どもたちが数多く登場する。その映像は、一人ひとりがあゆんできた、かけがえのない“物語”が切り取られたものである。
 この講義では、田中昌人による「可逆操作の高次化における階層-段階理論」の「可逆操作」という“道具”をつかって、子どもたちの“物語”をどこまでどのように復元できるのかを考えてみたい。
 今回は、『発達のひかりは時代に充ちたか?』で触れられなかった場面も取り上げる。

タイムテーブル
  10:00~10:10 はじめに(10分)
  10:10~11:20 講義1(70分)
  11:20~11:30 質疑応答(10分)
  11:30~12:30 休憩 (90分)
  13:00~14:30 講義2(90分)
  14:30~14:45 休憩(15分)
  14:45~16:15 講義3(90分)
  16:15~16:30 質疑応答(15分)

◆当日のレジュメ、資料は、ダウンロードでご案内します。
 補助教材『発達の光は時代に充ちたか?』(クリエイツかもがわ 2017)は、こちら<<<からお求めいただけます(このサイトを離れます)。
◆録画の配信は、終了後、編集期間を経てのご案内になります。


申込方法 終了しました

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