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(2)田中昌人・田中杉恵・有田知行『子どもの発達と診断1』大月書店
(写真は講師の荒木穂積さん;研究所副所長/立命館大学名誉教授)。
講義内容・テーマ
本コースでは,田中昌人らによって提起されてきた「可逆操作の高次化における『階層-段階』」(『階層-段階』理論と略称する)の学習を,田中昌人らの著作や文献・資料に戻りながらすすめていきます。
今年度は,幼児期の階層の5,6歳児(行動から思考へ,遊びの発展,自制心の形成など)の学習をすすめます。必要に応じて幼児期の階層3,4歳児および,学童期の階層7,8歳児も取り上げます。
前半では,乳幼児期の発達の基礎的理解をすすめて行きます。今年度はテキストとして森口佑介『わたしを律するわたし-こどもの抑制機能の発達-』(プリミエ・コレクション18)京都大学学術出版会,2012年を学習します。併行して幼児期の遊びの発達と集団・仲間関係の発達、話しことばから書きことばへの移行期の学習をすすめます。
後半では田中昌人の「可逆操作の高次化における『階層-段階』」理論(『階層-段階』理論と略称)に焦点をあてて学習をすすめてゆきます。テキスト田中昌人・田中杉恵『子どもの発達と診断5:幼児期Ⅲ』大月書店,1988年を学習します。併行して田中昌人『人間発達の科学』青木書店,1980年,『人間発達の理論』青木書店,1987年などの文献を手がかりに学習をすすめます。
本コースでは,エキストラとして冬期に集中講義を計画します。今年度は,「実行機能」研究と実践との関係を掘り下げます。
発達入門コース,発達研究の基本コースを修了した人,若手大学院生,発達相談,保育・教育,福祉,医療などの分野で実践している人,『階層-段階』理論の実践と応用に興味をもっている人,『階層-段階』理論を再学習したい人など,発達理論や実践に関心のあるみなさんの参加を期待しています。
授業の流れ
第1回目:オリエンテーションおよび『階層-段階』理論』の概要と幼児期の階層の第3段階である5,6歳ごろの発達特徴(解説)と発表分担(前半)の決定
(1) 可逆操作の高次化における『階層-段階』理論がどのよう構築されてきたか(テキスト1およびスライド)
第2-5回目:『わたしを律するわたし-こどもの抑制機能の発達-』(テキスト1)を学ぶ
(1) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:序章
わたしを律する-抑制機能という視点から-)
(2) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第1章 抑制機能の発達)
(3) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第2章 抑制機能と社会的知性の発達)
(4) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第3章 抑制機能と他者の行動)
(5) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第4章 抑制機能と物理的刺激)
(6) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第5章 抑制機能と文化)
(7) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第6章 ヒト以外の動物における抑制機能)
(8) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:第7章 抑制機能の発達的意義)
(9) 『わたしを律するわたし』(テキスト1:ふりかえり)と発表分担(後半)の決定
第6-10回目:『子どもの発達と診断5:幼児期Ⅲ』(テキスト2)を学ぶ
(1) 「5,6歳児の発達的特徴」(テキスト2:1 生活時間の変化と第3の世界の充実,2 発達における3次元の認識,3 厳密な比較と「転倒にもとづく対発生」,4 生後3の新しい交流の手段の発生,5
「ジブン」の誕生と自己形成視,(補)5,6歳の発達段階について,pp.9-38)
(2) 「第3の世界へ:5歳前半の発達診断」(テキスト2:1 熱中の出会い,2 机上での課題,3 運動,社会性,言語,pp.39-114
(3) 「新しい力の誕生:5歳後半から6歳後半の発達診断」(テキスト2:1 乱暴,きたないことば,混同,2 机上での課題,3 運動,社会性,言語,自己形成視, 5歳から7歳未満の幼児の総合的検討,pp.115-228)
(4) 「すこやかな発達のために」(テキスト2:1 育児で大切なこと,2 5歳児,6歳児健診を実施されるかたへ,3 障害の発見と対応について,pp.229-264)
(5)「あとがき」(テキスト2:pp.265-269), 幼児期の発達の階層(次元可逆操作期の階層)幼児期Ⅲ-5歳・6歳ごろのふりかえり
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